シナジーとは相乗効果のことです。たとえば、一時、ガソリンスタンドにコンビニが併設されるのがはやったことがあります。ガソリンの給油時間中、コンビニを利用してもらおうという商売が流行っていたのです。素人目に見ても、給油中にガソリンスタンドの事務所の中で自販機の缶コーヒーを片手にスポーツ新聞を読んでいる人を見かけます。いいアイデァではないかと。
ですが、現在のコンビニと併設されたガソリンスタンドの姿の少なさを見れば、やはりうまくいかなかった例でしょう。
合併や買収は、うまくいきそうなのですが、うまくいかないものです。驚くほどうまくいかないのですよ、ホント。

企業分析において、資本配分とは単に配当をいくら出すだけではなく、設備投資などを踏まえたおおきなカテゴリで考えるべきだと思う用語です。そして、この広義の資本配分をしっかり調査することを提案します。
意外に、何かに突出して一見素晴らしいと思う企業でも、よくよく調べてみると他業種・異業種を買収したり吸収したりしている事が多いのです。そして、その企業の売上高比率や部門別利益比率を見てみると、あまり芳しくなく、芳しくないならまだしも赤字の原因になってたりします。これは株主にとってどういう意味なのかというと、明らかに株主利益の損失です。
買収や合併にかかる費用を、単純にいえば国債を買っておけば、リターンは出たのです。間違っても赤字はでないでしょう。丹念に企業の資本配分を調べると、経営者並びにその執行者の姿が浮かび上がってくると思います。
合併や買収はダメではないのですが、安易に行なわれているという感じはします。そういうば、ジレットとP&Gが合併しますが、これもどうなるかわかりません。
超強力な企業であっても失敗はするのです。
いかに合併が難しいかを「名経営者が、なぜ失敗するのか?」シドニー・フィンケルシュタイン
(著), 酒井 泰介 (翻訳), 橋口 寛(監訳)が非常にいいサンプルを提示しています。この本一冊を読めば、楽天的な合併や買収がいかに綱渡り的なものかわかるでしょう。

さて、バフェットについての本を読めば読むほど、バフェットという人間がほんとに変な人だとわかってきます。バフェットは企業を公開株を購入して部分所有権を持つよりも、100%子会社化をするようになったのですが、その買収した企業それぞれのシナジーをほとんど考慮に入れていないのです。
これは驚くべきことです。
合併や吸収の話が出るたびに、企業からは相乗効果が期待できる、としか説明されず、マスコミもよっぽどのことがない限り肯定的な解説しかしません。
「期待」ですから。
バフェットのバークシャーハザウェイの傘下には4つほどの家具販売の企業があります。共同購入といった話でているようですが、あまり活発ではないようです。それぞれの企業が独自に行動し、それぞれの企業の大事なものを守りながら独自に事業を営み、利益を出し続けています。
いたって、傘下に同じ事業を営む企業が4つもあれば、再編などの動きがあって然るべきでしょう。普通の人なら、同じ事業だしなんかやったらいいのでは、と考えるのがまさに普通です。
バフェットは、傘下の買収企業相互間の連携には、積極的ではないにせよ消極的でもなく、「やりたいんだったらやったらいいんじゃない?」くらいのスタンスです。
シナジー(相乗効果)のような、事実上、結果がどうなるか不安定で不確定なものを重視しないどころか、ほぼ無視をこいているバフェットの合理性にはちょっと、尊敬してしまいました。普通、割り切れません。
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