その61  2005/3/3
無責任という名の権力

初心者投資の週1コラムは木曜更新です。
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「権力」という言葉を聴くとどう思うでしょうか?ほとんどの人が、「できる」ことをイメージしないでしょうか?たとえば、ベンツを買うことができる、セルシオを買うことができる、等々です。権力とは可能にさせることなんです。

権力という言葉を、その可能のイメージの他に「やらなくていい」という「無作為」の機能を含めて考えて見ましょう。そうすると、わたしたちのまわりに隠された権力を感じ取れるのです。


もっと「権力」という言葉を考えて見ましょう。そう、権力とは「しなくてもよい」ということなのです。最近、権力を最も如実に感じさせたのは、「年金制度」ではないでしょうか?

国民年金の未納率が過去、最大に増えました。だけども、その徴収機関の社会保険事務所のリストラがあったとも聞きませんし、社会保険庁の長官が罷免された話もききませんね、下級職はいわずもがな。

年金というものが、いかに権力的なものか、考えたことのあるひとはいませんか?そうです、運用の失敗でどれだけ保険者に迷惑をかけても、損害を与えても(年金の受給年齢の引き上げは明らかにわれわれにとって損害です。)、その年金資金の運用者が首になった話は聞きません。

これは、あまり知られていないことなのですが、厚生年金基金といういわば、厚生年金の3階にあたる年金制度があります。この厚生年金制度は、好景気で株高なときは運用成績が上がるのでいいのですが、昨今のような株価が低下して運用成績が落ちると、企業がその予定利回りに不足する額を拠出しないといけないのです。


厚生年金基金の解散がよく新聞・ニュースで取り上げられますが、すべて運用の失敗の穴埋めに企業がついていけなくなったと考えればいいでしょう。さて問題は、この運用成績の失敗の責任です。

誰が取ると思います?そら、その厚生年金基金の基金の運用者が責任を取ると思うでしょう?普通はそうですよね、投資信託ならファンドマネジャーが責任(減俸とか首とか。)を取らないといけないでしょう。

ところが、この厚生年金基金は一種の無責任体制なんです。ある企業が、この厚生年金基金の運用の失敗に腹を立てて、運用責任者を訴えたことがあるのです。

その裁判の結果はどうだったと思いますか?驚くべきことなのですが、「厚生年金基金の運用者は準公務員にあたるので結果責任を問えない」という裁判所の判断がおりたのです。結果、厚生年金基金の運用者は無罪。

はい、厚生年金基金の運用はね、こんなもんね、小学生でもできますよね。結果責任がないもん^^;

基本的に天下りなんです。厚生年金基金の運用責任者は。

はっきりいって、年金制度は破綻します。いや、破綻しています。どういうことかというと、複利的に年金を考えたら、最低でも25年運用をさせて、支払い保険料の2〜3倍にしかならないような金融商品なんて、市場的に絶対に失敗作です。

まったく割に合いません。

これから、ますます年金資金は枯渇します。今の第2ベビーブーマーが本格的に年金生活に入れば、どうなるのか想像がつきません。ま、今のところ考えられるのは、不公平感のある主婦層の年金の特権がなくなるでしょう。

この年金制度の破綻は、誰が責任を問るのでしょう?存続し得ない制度を残しながら改善を怠ってきた結果、どうにも儲からなくなった年金制度の責任は誰が取るのでしょう?公務員は結果責任が問えないのです。

結果に対して責任を取らなくても良い、というのは権力以外の言葉で表現できるのでしょうか?

単的な感想
権力の中枢にいるほど、責任が問えなくなります。太平洋戦争の敗戦の責任は誰が取ったのでしょう?



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